コードバンのお手入れ

最近よく製品にも使用しているコードバンのメンテナンスについて紹介します。

 

革の宝石と呼ばれているコードバン。エイジングした時の魅力は素晴らしいものがありますが

傷がつきやすく、シミもできやすいとても繊細な素材でもあります。

 

コードバンは銀面がない革です。構造的にはスエードや床革を圧縮したモノに近いレザーです。

そのため水を吸収しますと繊維が膨れ立ち上がってしまう性質があります。

なので水濡れは極力避けたいです。

 

先日、雨の中。 

ほんの少しの移動距離を傘も差さずに歩いていた時に

片手に持っていた財布(コードバン)が少し濡れてしまいました。

 

すぐに財布がぬれてしまったことに気づき水分は拭いたのですがこんな状態になってしまいました。

写真では分かりずらいですが、シミというよりも水膨れのような状態になっています。

 

この状態では夢見てたあのエイジングが。。。。。

 

がっかりするし、もう持ちたくない!なんて気分になりますが

この状態を復活させられるのもコードバンの魅力かとも思います。

 

こうなってしまった人のためにお勧めする方法です。

 

collonil 1909 シュプリーム クリームデラックス

 

これオススメです。

 

革への浸透力が素晴らしく、保湿力、栄養補給がすごく効果的で、

今まで使用したなかでも一番好きなメンテクリームになっています。

もちろん有機溶剤は使用しておらず、天然のシダーウッドオイルなどが配合されているので香りも魅力の一つ。

KUBUKI LEATHERメンテナンスは殆どこれを使ってます。

 

このクリームをやわらかい布に取り、革全体にまんべんなく円を描くように少し多めに塗ります

次は

全体にクリームを塗りこんだら角ヘラで面を押し込むようにゆっくりと強く擦る。

 

(この時にヘラに傷がついていたりすると革に傷がついてしまうので

ペーパーなどで滑らかにしてから使用してください)

 

この作業(クリーム塗る&擦る)を水膨れが消えるまで何度か繰り返します。

(状況によって回数も変わってきます。ひどい場合は復活は無理かもしれません)

その後にポリッシャー(羊毛)で磨きます。

 

ビフォーアフターでこんなにまで綺麗になりました。

 

が、しかし、ここの状態に持っていくのにも時間と根気が必要です!!

 

今回は水膨れの修復作業の紹介になりましたが、

 

通常は1~2ヶ月に1度の頻度で油分補給を行い、


 10分程度放置したのち、柔らか目のブラシ(馬毛)もしくは柔らかい布で

 

優しく丁寧に磨いて頂ければいいかと思います。

 

 

革製品のメンテナンスは出来ればご自身でやるのが一番いいと思います。

 

なぜなら、そのアイテムに対する愛着がより深くなるからです。

 

なかなかうまくいかない時は、その場でやめて次の日もしくは時間のある時にやってください。

 

そうやってゆっくりじっくり付き合ってください。

せっかく素晴らしい素材を手にしたんですから素晴らしい魅力を引き出しましょう。

今回使用した道具です。

 

コロニル1909 シュプリーム クリーム デラックス

 

角ヘラ

 

ポリッシャー(羊毛)

 

 

 

これからの季節は『汗』がよく出る状況になりますね。

 

上記でも書きましたが、コードバンはちょっとした水に当たるだけでも染みになりやすいレザーです。

 

汗や水は牛革以上に避けていただきたいですし、

ヒップポケットにいれてのご使用は

十分に気を付けてください。