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新しい生活に向けて

 

いつでもいいから、と言われて

 

小学校を卒業したばかりのランドセルを預かった。

 

 

いつでもいいといわれればいつでもよくなってしまい

 

いつかは作ろうと思うがそのいつかはいつになることやら

 

この言葉はやさしいけれど

 

作り手にとっては

 

なかなか手強い。

 

 

工場では今日も革を裁ち、

 

型紙をなぞり、

 

新しいものが次々と生まれていく。

 

 

ランドセルはいつも工場の片隅に飾られていた

 

通り過ぎながら

 

「そのうちね」と言い訳をしている

 

 

 

 

 

 

ついには高校生に。

 

『お財布まだですか?』

 

通学する為にお財布が必要だからと連絡が入る

 

 

 

 

あの頃思い描いていたロングウォレットは

 

もう似合わないらしい。

 

ポケットに収まる小さくて

 

必要なものだけの財布。

 

 

コンパクトでいて最小限の仕様内容へ変更

 

電車通学のポケット事情。

 

 

人は変わる。

 

背丈も、

 

持ち物も、

 

毎日の風景も。

 

だから

 

すぐ作らなくて

 

よかったのかもしれない。

 

あの頃の正解より

 

今のベストを

 

型にのせて

 

ランドセルを解体し

 

仕立てた

 

六年間背負われたカタチは

 

今度はポケットの中で

 

また

 

時間を重ねていく

 

 

 

素敵な循環

 

 

 

大変ながらくお待たせしましたが

 

とても気に入って頂きありがとう。

 

タイミングがぴったりきちゃった